『美しい星』をみたココアコーディネーター
映画『美しい星』を鑑賞した。
不思議な映画である。
原作は三島由紀夫のSF作品ということで有名らしい。
私は未読だ。
映画の方は、ある家族の物語が語られていくのだがみんな少しずつ狂っていく。
閉塞感を感じる人間が狂っていく姿は、現代を捉えていると感じた。
ある家族が自分のことを地球人やら火星人やらと言い出す。
誰もが閉塞感を抱えている。
この閉塞感から逃れたくて、ある人に対しては『宇宙人』他の人には『美しい水』や『バンドマン』などといったこの世から逃れるためのものが現れる。
彼らはある種の超越的なものを信じる。
信じたいものだけを信じる。
昔の人もこうおっしゃっている。
「人は現実のすべてが見えるわけではなく、多くの人は見たいと思う現実しか見ない」
byカエサル(古代共和制ローマ末期の軍人・政治家)
本人にとってはそれがなくては生きていくことができないものであっても、ある種の人間に対してはヘンテコな行動に見えてしまうことがある。
心理学の用語を使えば認知的不協和というものである。
認知的不協和(にんちてきふきょうわ、英: cognitive dissonance)とは、人が自身の中で矛盾する認知を同時に抱えた状態、またそのときに覚える不快感を表す社会心理学用語。アメリカの心理学者レオン・フェスティンガーによって提唱された。人はこれを解消するために、自身の態度や行動を変更すると考えられている。(wikipedia)
見たいものだけを見るフェイクニュースが流行る昨今では身につまされる映画だ。
まあこの疑いをを突き詰めていくと自分もヘンテコなだけなのではないかと自意識に苛まれ、何にも行動できなくなっていく気がする。
それは良くない。
信じすぎて他のことに盲目になるのでもなく、不信になりすぎて厭世的になるのでもない。
信じることと疑いとの戸惑いの中で進む道だけが、未来を切り開くのだ
byみんな大福
(先の見えぬ混迷な時代初期コタツとクッションの間に住む達人・ココアコーディネーター)
ちなみみに「美しい星」を監督したのは傑作「桐島部活やめるってよ」を作った監督である。
以上「『美しい星』をみたココアコーディネーター」の記事でした。
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