黒沢清監督 『散歩する侵略者』と『CURE』
みんな大福は映画が好きだ。
昨日黒沢清監督の『散歩する侵略者を』鑑賞した。
黒沢清監督といえばJホラーの映画監督として世界的に有名である。
今回の作品もホラー作品なのだろうと思い見始めた。
しかしこれがいい意味で外れた。
若干のホラーとラブストーリーとコメディータッチなシュールさなど色々な要素が入っている。
これがめちゃめちゃ面白い。
黒沢清監督にしか作れない作品である。
この作品で笑いと恐怖は紙一重であり、笑いも行き過ぎると恐怖になったり、恐怖も行き過ぎると笑いに反転するということがわかる。(ダウンタウンの笑ってはいけないシリーズもこの要素がある。)
ストーリーは宇宙人の侵略者がやってきて人から概念を奪うというものである。
(こう書くと大して面白そうに思えないかもしれない。だから見るのが一番)
例えばアンジャッシュの児嶋さんが警察官の役をしているが、宇宙人に『他人』
という概念をとられて、自分と他人が同じになり性格が急変したりする。ここも笑う。
他の役者もそれぞれいい味を出しているが、何と言っても主演の長澤まさみさんの演技が良かった。マジとユーモアの微妙な役回りをしなければいけないはずなのに、すんなりとはまっている。
ちなみに黒沢清監督といえば代表作に『CURE』という作品がある。
こちらの作品とも共通している点といえば解放である。
『散歩する侵略者』では宇宙人によって概念を奪われることで概念による思い込みから解放される。
『CURE』においては萩原聖人演じる 間宮(催眠術士のような役)によって日常の中に潜む深層心理を解放される。解放された人間が殺人をしていく。これが怖い。
この作品では催眠の描写が描かれているがそれがはまっている。
人間普通に生活している中で常識とされているもののせいで、縛り付けられているものがあるはず。あるタイプの常識とは洗脳といっても良いかもしれない。
それが変性意識状態(普通の意識状態とは別モード)にスイッチが入り普段の自分とは思えないようなものになることがある。
催眠とか洗脳に興味ある人は下記の本がオススメ。
洗脳っていうのはかかっていないと思っている人ほど、かかっているもので、「自分が微妙に洗脳されてるかもなーっ」てぐらいの人の方が、健全である。
話がだいぶ脱線した。
言いたいことは、黒沢清監督の『散歩する侵略者』はおすすめ。笑
以上「黒沢清監督 『散歩する侵略者』と『CURE』」の記事でした。
今日のみんな大福